細胞治療部門業務

CCMT紹介動画


保険診療

キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法プロジェクト:当院はノバルティスファーマのキムリア®、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ株式会社のブレヤンジ®およびアベクマ®、ギリアド・サイエンシズ株式会社のイエスカルタ®に関して施設認定を受け、各症例の院内進捗状況をC-RACTが管理し、細胞調製を輸血検査室ならびにCCMTにて行っています。2022年末までに100件を超えるアフェレーシスと投与を行うなど、日本はのみならず世界でも最多施設の一つとなっています。この経験を元に、学会発表や論文報告、進捗管理アプリケーション「かるたす」、細胞療法申し込みシステム「REACT-B」の開発など、CAR-T細胞療法のさらなる発展に向け、細胞療法運用学の観点から発信を行っています。


膵島移植プロジェクト:同種膵島移植は、2020年12月保険収載されました。当院は組織バンク(膵島)のカテゴリーI認定を受けております。


保険診療外(医師主導治験・臨床研究など)

iPS血小板プロジェクト(血液内科)

不妊治療用リンパ球培養プロジェクト(産婦人科)

iPSパーキンソン病治療プロジェクト(脳神経外科)

成人T細胞白血病・リンパ腫を対象としたウイルス抗原を標的とする樹状細胞ワクチン療法(血液内科)

生体肝移植における誘導型抑制性T細胞(JB-101)による免疫寛容誘導能及び安全性を評価する第I/II相臨床試験(肝胆膵移植外科)

iPS細胞から作製した再生キラーT細胞による急性骨髄性白血病治療法の開発(医生物学研究所・血液内科)

iPS細胞由来腎前駆細胞を用いた慢性腎臓病に対する細胞療法の製造開発と非臨床試験(iPS細胞研究所)


CCMT施設紹介

分子細胞治療センター(CCMT)は、京都大学医学部附属病院輸血細胞治療部の細胞調製施設として、2002年に初代の施設が建設されました。その後、改組により2019年8月より細胞療法センター(C-RACT)ならびに検査部細胞治療部門の管理下に移行し、保険診療から治験薬GMPにも準拠した医師主導治験に至るまで、幅広い細胞療法の施行に関与しています。2022年4月には二代目の新施設へ移転いたしました。CCMTは再生医療等安全確保法における細胞培養加工施設としての届出を行っております(施設番号FC5210050)。

所在地:京都大学医学部附属病院 第一臨床研究棟地下1階

運用開始:2022年4月

施設構成:管理室、クリーンルーム(4部屋)、細胞保存室、サプライ室、滅菌室(総床面積:約300平米)


設備の特徴

クリーンルーム:細胞培養室は全部で4部屋あり、グレードB(クラス10,000)に管理され、各部屋のバイオハザードキャビネット内は開放系調製が可能なグレードA(クラス100)を担保しています。培養室は内部で連結可能な構造になっており、かつ陽圧・陰圧の切替が可能であるため、ウィルスベクターを用いた作業も可能です。


常時監視システム:クリーンエリア内の清浄度、室圧、室温や、液体窒素タンク、冷凍庫、CO2インキュベータの庫内環境は管理室にて常時モニタリングが可能です。異常発生時には、休日や夜間でも管理者へ警報がメールで発信されるシステムを稼動させています。


液体窒素タンク:大容量の液体窒素タンクを2台所有し、検体管理システムにて、保存検体の情報(サンプル名、保存位置、入出庫記録)を電子的に管理しています。タンクは、液体窒素回生式を採用し、液体窒素供給や維持に関する作業やミスの低減を図っています。


施設内の配置図および内部3D動画はこちら



京都大学医学部附属病院の他部署との連携

C-RACTでは、次世代医療・iPS細胞治療研究センター(Ki-CONNECT)を含む先端医療研究開発機構(iACT)や、薬剤部と細胞療法に関して定期的に情報共有することで、研究室レベルの知見から保険診療まで、京都大学内での細胞療法の現状と将来的な可能性を包括的に把握する体制を整えています。これにより、シーズから臨床試験までの各段階での細胞調製視点からの支援が可能となります。


京都大学における他の細胞調製施設との連携

CCMT/C-RACTでは、細胞調製施設を持つ京都大学内の他施設(京都大学iPS細胞研究財団や京都大学ウイルス・再生医科学研究所附属ヒトES細胞研究センター)とも連携し、運用方針やクリーンルーム占有状況を共有しております。これにより、CCMT運用の最適化を目指すとともに、研究者からのニーズマッチングに役立てています。


CCMT利用をご検討されている方へ

使用目的

細胞療法センター(C-RACT)では、細胞療法の臨床応用を目指したプロジェクトに対して、細胞調製施設であるCCMT内のクリーンルームの提供のみならず、原料の品質試験、工程内検査や製品出荷前の品質試験、さらにはフェーズに応じた手順書作成支援など、様々なサービスを提供可能です。いずれも、作業期間中のクリーンルームの確保や、的確な支援提供のため、早い段階からの利用希望に関する情報提供をお願いしております。


料金体系

保険診療および先進医療以外のプロジェクトに関しては、京都大学の規定に従った一定の使用料金が課金されます。詳細は直接お問い合わせください。