挨拶
安全、安心の輸血、細胞療法を目指して
検査部部長・臨床病態検査学教授・CCMT施設管理者・C-RACTセンター長
長尾美紀
京都大学医学部附属病院C-RACTのホームページにお越しいただきまして有り難うございます。
京都大学医学部附属病院の中央診療センターである細胞療法センター(Center for Research and Application of Cellular Therapy:C-RACT)は、検査部輸血部門・細胞治療部門の業務として、細胞製造、品質評価、保存、出庫に至るまでの一貫した管理による最高レベルの細胞療法の実現を目指し、2019年8月に新設されました。当センターでは、学内外のスペシャリストや診療科と連携し、既に確立された治療法から先進的な研究開発まで、院内で実施される幅広い細胞療法・再生医療を組織的にサポートしています。
2022年4月に新たに稼働を開始したC-RACTの細胞調製施設(分子細胞治療センター:CCMT)では、CAR-T細胞、膵島移植、その他の組織由来細胞、iPS由来細胞などを取り扱うとともに、患者さんに安全に細胞をお届けするための様々なルールやシステムの構築にも尽力しています。
研究面では、細胞調製に関わる臨床研究や移植免疫に関わる研究を推進し、細胞療法の進歩に貢献するとともに、後進の育成のための教育活動にも邁進しております。
このように細胞療法の分野で発展を続ける私たちを今後とも御支援いただきますよう、宜しくお願いいたします。
細胞療法運用学に基づく安全かつ有効な細胞療法を目指して
検査部・臨床病態検査学講師・C-RACT副センター長・細胞療法科長
新井康之
CAR-T細胞療法の普及に伴い、「細胞療法」が身近な治療になりつつあります。造血幹細胞移植などでの経験を元に、これらの細胞療法は、今まで主に血液内科領域で取り扱われてきました。しかし、様々な細胞療法の開発状況を鑑みると、血液以外の悪性腫瘍や、良性疾患への細胞療法の普及が予想されることから、「細胞療法」を血液内科診療の一部分ではなく、一つの専門分野として独立させ、臨床や教育、研究を進めることが重要と考えてきました。
このような考えのもと、京都大学医学部附属病院では、2019年より「細胞療法センター」を立ち上げ、細胞療法の包括的取り扱いを実践してきましたが、より高度な診療を提供すべく、2024年12月に「細胞療法科」という新しい診療科を設立いたしました。
ここでは細胞療法を専門とする医療スタッフにより多くの診療を集中的に行うことによって、さらなる診療レベルの向上、教育の充実、研究の発展を目指し、最終的には一人でも多くの患者さんに、少しでも効果が高く副作用が少ない最適化された細胞療法を届けることを目標としております。
今後とも皆様のご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。